10/18 臓器提供普及推進街頭キャンペーンに参加しました。

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毎年恒例の臓器移植普及推進月間に合わせての街頭キャンペーンに参加しました。臓器移植への正しい理解と臓器提供意思カード(ドナーカード)の普及を図る街頭キャンペーンです。例年この時期にバンバ通り・オリオン通りで道行く人にドナーカードを配り、アンケートに答えて頂くということをやっていますが、今年は臓器移植法改正案が可決し、世間の注目を集めたということもあってか、明らかに皆さんの反応が例年と比べて違ったのが印象的でした。いつもは8割くらいの人には素通りされるか、断られるかでしたが、今年はほとんどの人が足を止めて、アンケートにも協力的に答えてくれました。一般の方々の臓器移植に対する意識が変わって来ているんだな、と肌で実感することができました。

臓器移植法は1997年(平成9年)10月に施行されました。この中では脳死後の臓器移植は、15歳以上で、臓器提供者本人の生前の書面(ドナーカード)による同意がなければ移植出来ないというものでした。 報道などでご存知の通り、日本の法律ではドナー(臓器提供者)に年齢制限があるため、心臓移植が必要な子供たちは高額の費用を払って海外で移植を受けるしか生きる道がありませんでした。2009年5月WHOでは臓器不正売買撲滅を目的に、移植ツーリズムの原則禁止を打ち出し、今後海外移植の道も閉ざされる可能性が出て来ました。これをきっかけに日本でも臓器移植法改正の機運が高まり、今年ようやく12年ぶりの法改正につながりました。
法改正の中身は、15歳以上という年齢制限が撤廃され、年齢を問わず、脳死を一律に人の死とし、本人の書面による意思表示の義務づけをやめて、本人の拒否がない限り家族の同意で提供できるようにするというものです。

2008年末現在、約28万人が透析療法を受けており、毎年増加傾向にあります。透析患者のうち11,513名(2007年7月2日現在)が献腎・脳死下腎移植を希望して日本臓器移植ネットワークに登録を行っています。ただ、問題点は献腎・脳死下腎移植数が少なく、2006年は待機者に対して197例の腎移植が施行されたのみであり、また待機日数の長い高齢者の割合が多くなってきていることです。特に脳死下腎移植は、臓器移植法施行後12年が経過しましたが、年間15件程度に留まっています。

今回街頭キャンペーンに参加して、法改正とともに一般の方々の意識が変わって来ていることを強く感じました。おそらく数年後には献腎移植の数がかなり増えてくると思われます。